Chameleon '93年発表
前作Pink Bubbles Go ApeでKeeper 3を望む周囲の声を乗り越えられなかったバンドが
93年に放った5th. Keeperはおろか前作とも又違う滑り方でツルーっといってしまった、
ハロウィンのアルバムの中でも悪名高い1枚。
製作前から、「(キスク、ヴァイキー、ぐらぽうの)3人が4曲ずつ曲を持ち寄る」という暴挙の下に
製作されている。イニシアチブを執ったのはキスクであったという。
聞いてみると悪くはないのだが、あまりにファンが望むモノとかけ離れているし、
チグハグが印象が拭えない。初聴の感想は「ハロウィンがやらなくてもええやんか」だった。
#1 First Timeはヴァイキーの曲。もう一つ押しに欠けるものの、期待はさせる。
だが、続く#2、#3、曲は悪く無いが、雲行きが怪しくなる。そして#4!
ぐらぽうのロケンローが炸裂。エンディングにいらん効果音を入れているのがささやかながら
ハロウィンの面目躍如か!?
そうこう言っているうちに後半に入るが、後半が又辛い。
ヴァイキーの曲を#1・#5・#6・#7と前半に消化してしまっているもんだから、なんか好き放題、
アメリカンなポップバンドかA.O.R.かわからない状態になっている。
その後ヴァイキーはバンドの建て直しのため、水面下でアンディ・デリスと接触。
哀れキスクはA級戦犯の汚名を着てバンドをクビになる。
キスクは調子に乗りすぎた。勉強だと思ってボーカルだけに徹していればよかったのだ。
言い換えると、若干20才そこそこの若造にモノを教えなかったヴァイキーの責任でもある。
バンドは大いなる反省を抱え、再生に乗り出す。
そしてその想いは早々と次作にて結実する。